海外研修報告

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・ハワイ視察研修(H27.1)

事務部部長 廣底幹雄
看護部副部長 徳島光一

1/8~1/23にかけて4か所の施設の視察研修に参加したので、報告する。
まず、一番に感じたことは、日本の国民皆保険制度の素晴らしさを痛感したことだった。アメリカではメディケア、メディケイドと呼ばれる保険制度や個人で加入する医療保険があるが、負担金が大きく、制限があり決して満足できるものではないということを改めて感じた。
また、寄付により運営がなされており、日本との違いを感じた。


1. クアキニ病院(Kuakini Health System) 急性期病院

クアニキ病院は、1900年に日本人慈善病院として設立された病院で、日本とのかかわりが深い病院で、年間100億の運営費がかかり、内1億の寄付があるとのことだった。
全米において、無保険の人は3,200万人おり、メディケアを使える人であっても、昨年4月から国からの支払いが2%カットされているとのことで、2017年までに電子カルテを導入しないとプラス3%カットになることが決まっているとのことだった。また、来年10月からICT10も行わなければならないということで、毎年のアップグレード等の維持費がかなりの負担になっており厳しい状況になっているとのことで、医療費削減は日本と同じだと感じた。

2. リハビリテーション病院(Rehabilitation Hospital) リハビリ専門病院

次に訪問したのは、リハビリテーション病院で、世界各国から年間6,100人以上の患者を治療しているとのことで、入院施設として、70床を有し、明るく広々とした空間の施設だった。外来は、セラピクリニック(オアフ島2か所・ハワイ島1か所)、内科クリニック、心臓リハビリの施設を有しているとのことだった。
リハビリ専門病院らしく、中庭には歩行訓練を行うためのコースが作られており、さまざまな道路状況を想定したコースが設けてあり、当院でも参考になる部分もあった。

3. マルヒア(Maluhia) 長期介護施設

マルヒアは、ハワイ州が経営しており、12の組織の一つである。すべての組織(1,250床)の予算は、35,000万$だが、今回十分なサービスの提供を行うことが出来ないということで、6,000万$の追加予算を請求しているとのことだった。
施設の概要は、4ユニットで158床、入所者は、SNFと言われる何らかの看護、処置(リハ含む)が必要な人とICFと言われる何らかの看護、処置(リハ含む)が必要でない人がおり、80%がICFの人とのことだった。
ハワイの介護事情は、基本的に自分の資産で賄うこととなっていて、資産がない場合に、メディケイドを使用することが出来るとのことで、日本との違いを感じた。
入所費用は、300$/日(36,000円)~350$/日(42,000円)で、月100万以上かかり、高額で驚きが大きかった。

4. シュライナーズ病院(Shriners Hospitals) 小児整形外科専門病院

シュライナーズ病院は、1923年創立し現在に至り、メキシコ、カナダも含め22施設あるということで、脊損、整形の患者を診ており、熱傷はカリフォルニアの関連病院に送っているとのことだった。
保険の使用は可能で、個人負担もシュライナー財団から出るため一切費用の発生はないとのことで、世界中から患者が来ており、滞在のための施設も10部屋完備してあり、現在7部屋増築中ということだった。


今回の施設研修で、冒頭でも述べたように日本の国民皆保険制度の素晴らしさを、あらためて感じることが出来た。また、4か所すべての対応していただいた担当の方たちも懇切丁寧な対応をしていただき、数多くの詳細な部分を教えて頂いたと思う。
その中で、当院の現在の取り組みは、どの医療機関にも劣ってはおらず自信をもって職員全員で素晴らしい取組みをしているといってよいのではないかと感じた。ソフト面、ハード面を含め、今まで以上に、素晴らしいものを確立していくために、何が出来るかを考え優先順位を見極めながら、積極的な取組みを行っていきたいと思う。

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平成24年度福岡県女性海外研修事業「女性研修の翼」に参加~フランス・オランダ~(H24.11)
   報告書(PDF-福岡県庁ホームページより-)              総務課主任 小川美里

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・シンガポールにおけるWLBへの取り組みとダイバーシティ(H23.2)

総務課副主任 小川美里

 平成23年2月15日~20日までの6日間、医療実務研究会主催の海外研修(シンガポール)に参加しましたので報告いたします。

シンガポールという国
 東アジアのほぼ中心で赤道直下に位置するシンガポールは、サンスクリット語で“ライオンの町”を 意味する“シンガプラ”が地名の由来とされているそうです。住民は華人76.7%、マレー系16%、インド系7.9%、その他1.4%から成る複合民族国家で、言語や宗教、ライフスタイルから食文化までまさに多種多様な国です。それら複数の文化が、融合することなく共生しながら異なるコミュニティを形成するという独自のスタイルに大変興味を持ちました。

Mount Elizabeth Hospital
 シンガポールに入国した翌日、まず訪れたのは世界基準のライセンス“JCI(Joynt Comission International)”を取得したハイレベルの私立病院 マウントエリザベス病院(以下、エリザベス病院)です。由緒あるこの病院は1973年の開院時には大臣を招かれたといいます。ちなみに“JCI”は日本でいう機能評価のようなもので、国内で唯一(平成23年2月の時点では)亀田メディカルセンター様が取得されています。
1階には吹き抜けのロビーにあり、大理石製の受付にはコンシェルジュが2名、その隣にはInternational Patient Serviceという外国人対応の窓口が備えられていました。まるで1流ホテルにいるかのような造りは旧ホテルの名残で、高級感のある調度品やピアノも置いてありました。近年ではメディカルツーリズムにより、ブルネイやロシアを始めとした海外からの患者様も多いそうで、外国人向けのサービスとして、例えば空港までのピックアップに病院内滞在中の通訳など、きめこまやかなケアやホスピタリティの充実が印象的でした。欧米の文化や技術の影響が大きいシンガポールでは、諸外国と同様に病院内にDr.は常駐せず、隣接するmediclinic(Dr.の集合ビル)で診療を行っています。
エリザベス病院にはOncology centreといわれるがんの全体を診るDr.が常駐するがんセンターがありました。そこには副作用による脱毛などへ配慮された専用の出入り口が設置され、主にTomo Therapyと呼ばれる放射線療法が実施されています。治療ではスキャンによるチェック(15分)と治療(5分)を合わせた所要時間約20分の処置が行われてました。治療費は1回毎ではなく、1パッケージ毎に価格が設定(5~6週間程度に数回の治療でs$20,000:日本円で約140万円)され、1日あたり20名程度が利用されているそうです。
ほとんどが個室のマタニティフロアやと1箇所に集中した12室のオペレーションルーム、ICTと更にハイレベルなケアが必要なICT2など施設内を見学した後、質疑応答の時間をいただきました。対応下さったのは素敵な女性のDr.です。シンガポールでは高齢化のスピードがかなり速く、日本から学んでいる点も多いそうです。また、シンガポールの病院は80%が政府系病院(公立病院)で、病室を含め施設などはランクごとに分かれています。例えばAランクだと、個室・エアコン・トイレつき、Bランクだと2~4人部屋・エアコンつき・トイレはシェア、Cランクになると6~8人部屋・扇風機・トイレはフロアごとでシェアなどその差は明確でした。
 最後に保険制度についても教えてくれました。主な保険としてmedisave と呼ばれる保険があり、その他必要に応じてプライベートでも加入されている方もいらっしゃるようです。中にはMedifoundと呼ばれる 貧困者を救済する保険もあるそうです。処置料の保険適用については一定の制限が設けられているようですが、高額な処置料の救済として、コストの大きな病気に利用できる救済システムがあるそうです。その1つが“ナショナル・キドニー・ファウンデーション”という慈善団体によるシステムで、同団体はアクティビティを通じて得た収益を人口透析が必要な方へ寄付されているとのことでした。

Singapore General Hospital
 視察の合間に政府府系病院であるシンガポールゼネラルホスピタル(以下、SG病院)を訪れ、まるで患者さんになったつもりで敷地内を足早に見ることができました。通訳の話によれば、シンガポールではHome Dr.を持つ方が多く、検査や大きな治療が必要となった場合はDr.の紹介で来院しているとのことでした。SG病院は検査棟、処置棟などの7つのブロックからなり、専門外来が多いそうです。様々な国の患者さんが多いことはシンガポール国内ではどこも変わらないようで、ここでもやはり“IMS” という外国人対応のコンシェルジュのいるブースがありました。外来予約を行っていない一般患者さんは、最低でも1時間程待ち時間があるとのことです。ちなみに政府系病院のDr. の月収は s$3,000 (21万円)だそうです。

LEE AH MOOI OLD AGE HOME
 翌日は華人の多いリーアモイ老人ホーム(以下、リーアモイ)を見学しました。全110床を法律で定められた規律(入所者男女比5:5)に則し、男性55名、女性55名が入所していました。入所者のうち6名は様々な事情により料金を支払えない状態だそうで、その分は施設が負担されているそうです。
 入所者は低所得者がほとんどで、貸し出しされた病衣を着て、ベッド横の床頭台にある日常生活に必要なわずかな私物(ヘアケア用品、タオルなど)で生活されていました。リーアモイでは、持病の有無に係わらず、本人が感染症を持っていなければベッドが空き次第すぐに入居できることから入所希望者が後を絶たないそうです。シンガポールでは安価な料金s$1,400~s$1,500/月(食事・居室全て含む・・・通常はs$2,000以上)であることも人気の秘密のようです。
 24名のスタッフで夜勤も含めた3シフトで運営しているとのことで、スタッフの2/3はケアギバーと呼ばれる外国人の介護職員でした。ケアギバーとは、出身国の資格を持つ外国人が、シンガポール国内での6ヶ月の研修と認定試験を経て取得できる資格だそうです。施設のスタッフは全て正社員だそうで、結婚、出産となれば自発的に退職となるようです。もともと近隣の外国から労働で来ているため、ほとんどの方が結婚や出産を機に帰国されるそうです。シンガポールは人口の30%が移民で成り立っており、経済の発展には“出生率の上昇”と“質の高い人材”が不可欠だと考えられているため、外国人労働者の受け入れにも積極的のようです。
 また、施設運営への政府の助成がないリーアモイでは、運営費のほとんどが寄付で賄われているとのことでした。もともとリーアモイは老人ホームではなく、就労のためにシンガポールへ移民した華人の住居用に開設されたそうです。施設の出身者が、滞在時のご恩にと寄付を続けられ、現在も運営が維持されているとのことでした。開設者である現オーナーのお母様の意思を継がれ、現在は老人ホームとして運営されているそうです。
 シンガポールには、小学校でのお年寄りの体験やボランティアの受け入れを通じて、お年寄りや障害をお持ちの方を身近に感じてもらえるようなプログラムが多数あるとのことでした。

参考) リーアモイでの1日のスケジュール
5:30 起床
6:00 朝食
7:00 シャワー
8:30 Tea Time
11:00 昼食
13:00 Tea Time
16:00 夕食
19:00 サパー(Tea Time)
20:00 就寝

   *年中温暖とあってシャワーは冷水だそうです。食事の他にティータイムが1日3回。

ある日系企業に勤める日本人の方のインタビューから
 “オーチャード”(日本でいえば銀座のような洗練された街)に日系企業に勤める日本人の方より、シンガポールでの暮らしについてお話を伺いました。インタビュー内容を箇条書きでまとめてみましたのでご参照ください。
【シンガポールの風土】
*考え方は欧米的、言語は複数ある(英語が主)
*シンガポールはシンガポーリアンを守る風土
 →永住権、PRを大切に。それ以外の外国人へ対してはドライな面(学校は全て援助なし)も
 →日本は外国人へ対して甘い(例:法人税17%など)
*シンガポールでは賃貸住宅が少ないため、持ち家の人が多い(9割)
*公団(安価な住宅)はシンガポーリアンのもので、外国人は所有できない
*犯罪が少ない(人間住むところがあれば犯罪は減少する?!)
*お正月は年3回(多民族国家ゆえ)
*シンガポールタイム=オンタイムから10分遅れ
*病院も含め、住んでみて不自由は殆どない(眼科が必要なときは不自由を多少感じた)
 →海外移住に必要なもの(衣食住、医)、シンガポールは満たしているのでは?
*気長な気質・・・ 例:デパート等で混雑時にレジが1つでも文句が出ない
              クレームが発生時も翌日対応でOK、
*シンガポールの3C= クレジット(暗証番号は6桁)、コンドミニアム、カー
【シンガポールでの仕事】
*出向して勤務する人=Working pass(ランクあり、仕事をする期間のみ滞在可)、家族連れ
*Working pass 保持者は納税の義務はあるが、リターン(奨励金等の恩恵)なし
*子どもを持つ女性の60%がワーキングマザー
*幼稚園が主流 (7:30~19:00まで預かり可、園バスあり) s$1.500/月
*パートタイマーはない (サラリー、アルバイトの2種で基本的にアルバイトは学生が主)
*日本のように毎年必ず昇給することはないので、2~3ヶ月で転職する人は多い
*ステップアップの方法としての転職
*キャリア組みはスタートから違い(学歴も重視)、目指すところも違う
*シンガポールにおいて選ばなければ仕事はある
*新卒という言い回しはない:最初の仕事=ファーストジョブ、同期という意識はあまりない
*終身雇用という考えがない
*永年勤続の表彰あり (例:10年勤続者など)
*有休=20+15 (15はMCと言われる病欠用のもので、急なときのみ使用可:要診断書)
 →何故か月曜日やクリスマス後はMCが多い(笑)という
 →有休はプールできない(1年で消化しなければ消失ため、消化率がよい)
*ホワイトカラー s$2,000/月 (132,000円)
*シンガポールで勤めても日本人は日本人の感覚が抜けない
*都市がコンパクトにまとまっているため、休んでも緊急時には駆けつけられる
 →(タクシーで1,000円以内)・・・リスク管理
*会議に参加できるのは管理部門のみ(マネジメント層)
*責任ある業務につきたいと思う人とそうは思わない人が明確。企業も個人のキャリアを考慮。
【シンガポールにおけるワークライフバランスとダイバーシティ】
*共働きの多くはメイドさんを雇い (主にフィリピン人)、夕食は外食をしている
*イスラム教 (お祈りをする際、ミーティング中に抜けることも。上司の理解あり。)
 →社員食堂では、他宗教とイスラム教とを区別し、食品はもちろん食器や冷蔵庫も分別
 →断食時には人事部より管理者へ配慮を促すメールが配信される
*文化や宗教についての話はデリケートなのであまりしない
 →絶対的なタブーのみ教えてもらう (個人的に親しくなれば聞くことも)
 →食べられるものが違うので、基本的に一緒に食事をする機会はあまりない
*ダイバーシティについて・・・ 枠を決めずに“個”で捉えることが大切(現場レベルでは)
 →そうすることで理解できない壁をつくることが少なくなる
 →但し、組織で見たときには配慮が必要
【シンガポールにおける医療】
*シンガポールでの日本人かかりつけの病院・・・パラゴン内にあるジャパングリーンクリニック
*診療と薬で2万円程度かかる (風邪薬などは多めに処方されるが、海外保険対象外)
*PR=国民保険が持てる

Changi General Hospital

Changi General Hospital

 4日目には、約800床を保有するチャンギジェネラル病院(以下、チャンギ病院)を見学しました。こちらの病院もエリザベス病院同様にJCIを取得しています。JCIは3年毎に審査があるようですが、シンガポール国内で行われる通常の監査(2年毎)時にはJCI保持ということで優遇があるようです。見学時にアテンドして下さったのは1996~2006年まで看護部長をされていた王氏です。 
 まずはじめに、ミーティングルームで施設に関するパワーポイントを使用したプレゼンテーションを受けた後、院内の見学に出かけました。こちらの病院は救急対応が可能で(但し移植や心臓OP、骨髄OPは不可)、スポーツ形成もあるとのことでした。施設内にある建設物の間には、目に鮮やかな観葉植物があり、開放的で明るい感じがしました。充実した医療設備もさることながら、こちらの病院では、資格を問わず活き活きとしたスタッフの表情が大変印象的でした。
 病棟へ上がると、どの病棟にもウエルカム・メッセージが装飾されており、見る人を和ませているかのようでした。またスタッフステーションには各ステーションにアンケートボックスのようなカラフルな箱が置いてありました。何の箱かを訪ねると『サンキューカードボックス!』との答えがありました。カードはまるでバースデーカードのようにカラフルで明るく、ボックスから受け取った部署長は翌日のブリーフィング(朝礼)時に読み上げて内容を共有し、部署のコルクボードに一定期間掲示した後に本人へプレゼントされるそうです。

  資料 【患者様からスタッフへのサンキューカードについて】
使い方 ① スタッフステーションでカードをもらう。
     ② 感謝したいスタッフの部署、名前を記入する。
     ③ カードに記入する(何に対しての感謝かチェックボックスにチェックする。)。
     ④ スタッフステーションに設置してある専用ボックスへ投函する。

 また、1階には救急処置室(緊急外来)があり、その出入り口には“Thermal machine”と呼ばれる体温を色で見る(サーモグラフィ)特殊な機械(世界的に流行したサーズの名残。軍隊→空港→病院の順に使用)が設置され、体温をチェックするスタッフが待機し、発熱があればすぐに別室へ誘導を行っていました。更にその脇でトリアージのトレーニングを受けた看護師さんが来院された患者さんの振り分けを行っていました。その流れは迅速で、シンガポールというコスモポリタンでは、集団感染の防御への意識が大変高いことを伺わせました。事実、来院者は全て検温され発熱の有無をシールで管理されていました(赤=38度以上、赤以外:日ごとに色変え=38度未満)。この外来の処置代は一律s$85で、パッケージとしての価格のためどれだけ検査や処置をしても同じだということでした。
 病院内のエレベーターや廊下などはフロアごとに丁寧に色分けされており、識字率が低い民族への配慮もありました。例えば、ある病棟へ行きたいときには、グリーンのエレベーターに乗れば良いといった具合です。外来はフロアで階級分けがされていました。2Fは政府の援助による診療、3Fは自費で診療となっているため、待ち時間の緩和にもつながるとのことでした。また、1Fのパブリックスペースでは曜日ごとに項目を変えた物販が行われており、見学した日は金曜日のためフルーツ市が開催されていました。
最後に職場環境について尋ねてみると、次のようなことを教えてくれました。
・障害者雇用あり・・・ テレフォンオペレーター、受付など
・産後休暇・・・ 4w(企業負担)+4w(政府負担)、その後の休暇は無給。平均4ヶ月程休む。 ・1歳6ヶ月より受け入れ可能な託児室を院内に設置あり 。
 シンガポールでは共働きが多く、家事もメイドさんにお願いするなどして働きやすい環境にはあるものの、一方で法的に認められた休暇が短い(産休のみで育休なしなど)ため、子育てに関する支援策は数少ないのかもしれないと感じました。

Japan Green Clinic
 最後の病院見学として、都心部にある日本人が良く利用するというジャパングリーンクリニックを訪問しました。2件目の予定外の訪問です。このクリニックについての話を伺って興味を持ち、アポイントなしで訪問しました。
 ビルの中にあるこの医院の代表は日本人でDr.や受付ともに殆どが日本人スタッフでした。見学日も多くの日本人が受診のため子どもを連れてきていました。以前ある雑誌で、“海外で暮らすことで最も心配なのは、日本と同じ水準の医療サービスが受けられるかどうか”だという記事を目にしたことがありますが、ここにきてその意味がわかった気がしました。

町中にダイバーシティが溢れている!
 ダイバーシティとはDiversity&Inclusionの略で直訳すると“多様性の受容”となりますが、シンガポールという国そのものがダイバーシティの代名詞であるかのように感じました。旅行者の私へも地元店のポイントカードを勧めてこられたり、道を尋ねられたり・・・それも何度も。もちろん旅行者であることを知らないことは確かですが、同じアジア人であっても顔つきでシンガポーリアンでないことは認識できるはず。ということから考えると、おそらく多くの民族が共存しているため、肌や髪の色、顔つきなどで地元の人かどうかなんて判断できず(必要もないであろうが)、存在する人全てを受け入れているかのように思えました。
 それらのエピソードは、現地で働くある日本人からの『文化や価値観、生活スタイルに”何故?“は必要ないかもしれません。私たちは部屋へ入るときに靴を脱ぐことと同じで、全ては習慣であり理由なんてないからです。』という言葉が象徴しているかのようでした。

 シンガポール視察から学んだことの中でも特に印象が深かったことは次の5つです。

  1. 1.ダイバーシティには縦の軸と横の軸の2種類ある

  →縦の軸=平等・・・誰に対しても同じ対応、横の軸=公平・・・能力を評価

  1. 2.文化や生活スタイル、宗教に“なぜ?”は必要ない(そのまま受け入れる)
  2. 3.WLBや子育てについては日本の制度の方が整っているかもしれない
  3. 4.グローバルな市場を意識する(競争相手は同じ業界だけではない)
  4. 5.これからは語学力を身につけることは必須で、英語だけでなく中国語も必要になってくる

(日本国内にいても、今後マーケットが日本から東アジアへと拡大するため)

研修同行者  *敬称略、順不同
医療実務研究会 : 村上佳子 (代表)
医療法人 貝塚病院 : 長 幸美 
医療法人財団 野口記念会 野口病院 : 山野 真紀
独立行政法人 九州労災病院 門司メディカルセンター : 小牧かおり
医療法人 寿芳会 芳野病院 : 立花雅男、谷口良子、上野謙太
株式会社 芳野ケアサポート : 中原みなほ

 この度は貴重な学びの機会を頂き本当にありがとうございました。全体を通して、一施設単位で変えられるものはごく僅かであることを感じながらも、視察で得たアイデアを小さな変化として積み重ね、より地域の需要に応じた病院となるように提案を続けたいと思います。

以上 

マリーナ ベイ サンズ
檻に入ったマーライオン(工事中)

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